1.節税対策と減価償却によるキャッシュフローの改善
リノベーションを行うと、耐久年数を変えることができるので建物比率を増やし減価償却費を増やすことができます。このことのメリットは、不動産投資でキャッシュを残すため利益を減らすることで、税引き後キャッシュフローを改善できるという点です。つまり、中古物件は建物比率が大きい物件の方が減価償却額を大きくとることで節税効果があり、結果としてキャシュフローを大きくすることができるのです。
(1)減価償却費が多くなる→支払う税金が少なくて済む
(2)仮払消費税が多くなる→消費税還付で戻ってくる金額が多くなる
つまり、不動産購入総額の分配が土地の価格が高く建物が安いものより、土地の価格が安く建物の価格が高いもののほうが手元に残るお金が多くなるということです。
しかし、この不動産投資方法では売却しない間はキャッシュが貯まり儲かっているように見えますが、実は資産を減らし、それをキャッシュに代えているため資産形成という面ではマイナスになる可能性があります。
例えば、同じ利回りの物件でも、建物価格が高くキャシュフローを多く手にいれられる物件は、固定資産税・建物維持管理の費用も大きくなります。それを「 経費と減価償却で減少した資産のマイナス分 」と「累計のキャッシュフローのプラス分 」の差し引きでみてみると、トータルの資産が小さくなってしまうのです。そのため、不動産投資または不動産売却のどちらに主眼を持つのか見極め、キャッシュフローの改善を行うことが重要になってきます。売却を考える場合であれば建物が中古の場合、原則としてその建物の使用可能期間を見積もることによって耐用年数を決めることができます。またリノベーションを行うことによって耐久年数を上げることができるので、運用キャッシュフローを改善し売りに出すことできます。